第130章 月とオリオン
エマはオリオン座を指さすと、
「リヴァイさん。
前、流星群のとき、
オリオン座の神話について話したの
覚えてますか?」
そうリヴァイに問いかける。
リヴァイは少し考える素振りを見せた後、
「……ああ。身内に邪魔されて
恋が叶わなかった女が、
間違って好きな男を殺した話だろ。」
と、空を見上げた。
「その話、まだ続きがあるんですよ。」
エマはオリオン座に
目を向けたまま話し始める。
「愛する人を殺してしまった女性は、
神様に頼んでその愛する人を
星にしてもらったんです。
そして、その女性はいつまでも、
愛する人の星を照らし続けるんですよ。」