第123章 理性が崩れたとしても
朝方、エマが目を覚ますと、
「あ。エマさん、起きた?」
エレンが小声で声を掛ける。
「……エレン、起きてたんだね。」
エマはエレンの方を向くと、
エレンの髪を優しく撫でた。
「エマさんの寝顔見てた。」
エレンはそう言うと、
エマの頬に手を当てる。
「エマさん、大丈夫?」
「……ん?何が?」
「団長と別れたって聞いたから……」
エレンはエマの頬に手を当てたまま、
少し目を伏せた。
エマは少し笑って、
「ああ。大丈夫だよ。」
と、エレンの目を見つめる。
「色々と心配かけてごめんね。」
「いや、いいよ。
俺に出来ることあったら、何でも言って。」
「……ありがとう。」
エマはそう言うと、目を瞑った。