第116章 一番必要な人
少し涙がおさまった頃、
「そろそろ涙もなくなるんじゃねぇのか?」
リヴァイは少し笑いながらエマの髪を撫でる。
「いっそのこと、なくなってくれたら
いいんですけどね。」
エマは鼻を啜りながら答えた。
「問い詰めて悪かったな。
お前にも言いたくないことくらいあるだろう。」
リヴァイは少しため息を吐く。
「いえ……
ただのいつもの泣き上戸なので、
気にしないで下さい。」
エマはそう言うと笑って見せた。
「笑えねぇときは、
無理に笑って見せるんじゃねぇよ。」
リヴァイはエマの頭を小突く。
「もし話したくなったら、また聞いてやる。」
リヴァイはそう言いながら立ち上がった。
「リヴァイさん、
ありがとうございました。」
エマのその言葉に、
リヴァイは後ろ手で軽く手を振ると
基地に向かって歩き出した。