第115章 究極の選択
「……君は本当に
私の感情を掻き乱すのが上手いね。」
エルヴィンはそう言うと、
エマを優しく抱き寄せる。
「それも分かっているよ。」
「……それなら何で
そんなこと言うんですか?」
エマはエルヴィンの背中に手を回した。
「君の本当の気持ちは、
ここには無いかも知れないからだ。」
エルヴィンはエマをそっと離す。
「エマ。
もう動揺を隠すことはしなくていい。
いつも通り、正直に考えてくれ。
途中で考えることを放棄するな。」
エルヴィンの言葉は力強い。
「私には君が必要だ。
だが、君は他にも必要としている人が
いるんじゃないのか?」
エマは俯き、
自分の手を握り締める。
「君は何も知ろうとしないで、
考えようとしないで、ただ変化を恐れている。
それは私の為でもあるし、自分の為でもある。
もう私に嘘はつかなくていい。
正直に教えてくれ。」
エルヴィンはそう言って
エマの肩を掴むと、
エマは何も言わず頷いた。