第115章 究極の選択
「エマ。君は少し、
変わってきたようだね。」
エルヴィンはそう言って、起き上がる。
「私は自分に正直で、嘘をつけない君を
好きになったんだよ。」
エマはエルヴィンの目を見つめた。
「今の君は、自分に正直でもないし、
私に嘘もついている。」
エルヴィンは真剣な表情のまま話を続ける。
「私は、そんな君の側にいることは出来ない。
この言葉の意味は、理解できるね?」
エマは、頷くわけでもなく、
少し目を伏せた。
「君のことを本当に愛している。
だからこそ、君を縛り付けたくはないんだ。」
エルヴィンは俯くエマに、
優しく話しかける。
「君には、自分の幸せを選ぶ権利がある。」
その言葉を聞くなり、エマは顔を上げ
「エルヴィンさん、私は今も幸せです。」
と、少し声を張って言った。