第112章 ありがとう。
「んなっ、いてぇだろうが!」
リヴァイは抱き着かれると同時に頭突きされ、
思わず声を上げた。
そして、エマの手を
振りほどこうとするが、
しっかりとしがみついていて離れそうにもない。
「リヴァイ。
この事態は不服でしかないが、
君がエマを部屋に連れて行くべきだな。」
エルヴィンはそう言ってため息を吐く。
「ただし、手は出すなよ。
今彼女はただの泥酔した女性だ。」
エルヴィンは言い聞かすように、
リヴァイの目を注視した。
「誰がこんな酔っぱらいに手ぇ出すか。
手ぇ出すんなら、もっと反応が
面白いときにするに決まってんだろ。」
リヴァイはそう言って鼻で笑い、
エルヴィンを見る。
「面白くない冗談はいい。
とにかく、早く連れて行って来い。」
そう言うと、
エルヴィンはリヴァイの肩を押した。