第110章 大事な人
「エマ。私からもお願いしたいんだ。
リヴァイの気持ちを汲んで欲しい。
エルヴィンと、今と変わらず、
とにかく幸せでいて欲しい。」
ハンジはそう言って、
エマに笑いかけた。
「……それがリヴァイさんの
願いでもあるんですよね。」
エマは小さく息を吐く。
「……そうだね。」
ハンジはそれだけ言うと、
エマを強く抱きしめた。
「エマがこんなこと言われて、
納得いかない気持ちがあっても仕方ないと思う。
自分の幸せを強制されるみたいで嫌だよね?」
「……そんなことないです。
ありがたいです……
……でも申し訳ない気持ちもあります。」
エマはそう言って
ハンジの胸に顔を埋めた。
「大丈夫。これが、
今のリヴァイが出した結論だから。
エマは気負う必要ないんだからね。」
ハンジは優しくエマの髪を撫でた。