第100章 勘繰りたくもなる状況

「そう言えば、
エルヴィン団長とは会ったの？」

ジャンは顔を上げ、エマに問いかける。


「いや、それがなかなか時間合わなくて。」

「そっか。
この時期は忙しいから仕方ないか。」

「そうだね。とりあえず今は
調査に向けてやることやんないと。」


そう力強く言うエマに、

「……で、兵長とも
やることやったってこと？」

と、ジャンは横目でエマを見た。


「なっ、何の話？！」

「さすがに俺は知ってるからな。
エレンが真っ赤になって
俺の部屋に飛び込んできたんだから。」



エマは大きくため息を吐く。


「そうでした……
調査前に、エレンにもう一回会わなきゃ。」

エマは冷静にそう言うと、

「いや、そんなことより、なんで兵長は
またエマさんとキスしたくなるわけ？」

ジャンは呆れたような顔でエマを見る。


「そんなこと私に聞かれても分かんないよ。」

「……エマさんが
相当テクニシャンなの？」

「そうじゃないことは、
君もよく知ってると思うんだけど。」

エマはそう言うと、チラッとジャンを見た。