第98章 温かい理由
「ま!待ってください!」
エマは思わず
リヴァイの口を手で押さえる。
「いや、リヴァイさんが
朝に盛る性質なのは重々承知してますが、
もう日付替わりましたからね!」
リヴァイはエマに口を押えられたまま、
小さく笑う。
「……リヴァイさん、毒吐かないと、
なんか可愛いですね。」
エマはそう言ったあと、
しばらく黙ると
「いや!すいません!冗談です!」
リヴァイの穏やかな表情を見て、
つい口をついて出た言葉を急いで撤回する。
リヴァイが無言のまま、
エマの手を指さし、
エマは急いで手を離した。
「……俺を窒息させる気か。」
リヴァイは少し息を弾ませる。
「すみません……
でも、リヴァイさんが仕掛けてきたのが
原因ですけど。」
思わず言い返すエマに、
リヴァイはまた頬を緩める。
「笑いごとじゃないですよ!
取り敢えず私は起きますから、」
リヴァイは起き上がろうとした
エマの手を引くと、自分の胸に抱き寄せた。