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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第97章 懐かしい匂いとベタな展開



リヴァイは慎重にエマに近付くと、
突然脇をくすぐり始めた。


「ちょ!ちょっと、
何やってんですかっ!?」

エマは笑いを我慢しながら身体を捩じらせ、
リヴァイの手を遮る。


「なんだ。
泣いてるわけじゃねぇのか。」

リヴァイはエマに両手を掴まれたまま、
エマの顔を覗き込んだ。



「そんな簡単に泣かないです。」

エマは思わず目を逸らす。


「そうか。残念だな。」

リヴァイは眉間に皺を寄せた。


「泣いてなくて残念とか……
相変わらずいじめっ子ですね。」

「その言い方はよせ。
それより、この手、どうする気だ?
俺を襲う気か?」

リヴァイはそう言いながら、
掴まれたままの手に視線を落とす。


エマは急いで手を離すが、

「おい、お前のせいで目が冴えたんだが。」

リヴァイはそう言うと、
エマを後ろに向かせる。


「お疲れのところ、すみません……
もう大人しくしてるので寝てください。」

エマはリヴァイに背を向けたまま、
呟くように言った。


「ああ。そうだな。」

リヴァイはそう言うと、
エマの首元に軽くキスをした。


エマは一瞬何が起こったのか分からず
身体をビクつかせるが、
それ以上何もしてこないリヴァイを不審に思い、
恐る恐る後ろを振り返る。

すると、リヴァイはエマの方を向いたまま、
寝息を立て始めていた。


エマはリヴァイの方を向くと、
寝顔を見つめる。

そして、触れたくなる衝動を抑えながら
ゆっくり眠りについた。



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