第96章 反省と自棄と真摯と
「だっておかしいですよね。
いくら喧嘩してたとはいえ、
あんな急にリヴァイさんの態度が
急変するのって。」
「おかしくねぇよ。
俺は元々そういう性格だ。」
「下手な嘘はやめてください。
リヴァイさんの行動は
いつも意外と堅実でしたし、冷静でしたけど。」
「意外と堅実、は、悪口だろうが。」
「なのに、あの時は完全に一方的で
ただ乱暴なだけでしたよね。」
エマはリヴァイの発言を無視し、話す。
「私に対して気に食わないことがあったんなら、
今からでも言って下さい。
できるだけ直すように努力しますから。
じゃないと、これから先も同じことで
苛々させてしまうかも知れませんし。」
「んなもん、ねぇよ。」
リヴァイは再びエマを抱き寄せると、
「あれは俺の問題だ。
お前に非はない。前にも言っただろうが。」
「でも、」
「もういい。詮索するな。」
リヴァイの強い制止を受け、エマは沈黙した。