第94章 後悔の無いように
エマは少し笑うと、
「リヴァイさん、
最近やっぱりおかしいですよ。」
そう言ってリヴァイの腰に手を回す。
「かなり不可解なこと多いですけど、
これでリヴァイさんは
ちゃんと帰って来てくれるんですよね?」
リヴァイはエマを包み込むように、
強く抱きしめ直すと
「善処する。」
そう言って目を瞑った。
「……今の状況、
もしエルヴィンさんに報告したら、
リヴァイさんどうなるんですか?」
エマはふと気になることを口にした。
「さすがに調査前は殺されねぇだろ。」
冗談めかしてそう言うリヴァイに、
エマは思わず吹き出す。
「リヴァイさん、トランプのこと
みんなに黙ってくれてるんで、
私もこれについては口外しないです。
と言うか、こんなことエルヴィンさんに
言えそうにもないですからね……」
「まぁ、エレンがどう出るかにもよるがな。」
「あ!そうだ!エレン!」
エマは思い出したように顔を上げるが、
リヴァイに頭を押さえられ、
またリヴァイの胸に顔を埋める。
「今はいいだろ。
これが終わってから行け。」
「……これ、いつ終わる予定なんですか?」
「最後までやったらだ。」
エマは一気に体温が上がるのを感じ、
顔を横に背ける。
「おい、耳まで赤いが。」
「……リヴァイさんが、
そういうこと言うからですよ。
というか、しませんけど。」
エマはそう言うと顔を上げ、
リヴァイの肩に頭を乗せると、
火照った体を冷やすように深呼吸した。