第94章 後悔の無いように
リヴァイは思わず吹き出すと、
「お前、どれだけ赤くなるんだ。」
そう言って口に手を当てて、
笑いを堪える。
「リヴァイさん……
ほんと、たち悪い悪戯、
やめてもらっていいですか?」
エマは力なくため息を吐いた。
まだリヴァイの唇の感触が残っている。
相変わらず、強引で自分勝手なキスだった。
だが、懐かしい、なんて思う暇すらなかった。
「なんだ。悪戯じゃねぇよ。
こっちは本気だ。」
「でも私じゃなくても
良かったですよね、これ。」
エマが呆れたように
リヴァイを横目で見ると
「は?何で俺が他の女と
こんなことしなきゃなんねぇんだよ。」
そう言ってエマの腕を掴む。
「何でって言われましても……
リヴァイさんのこと想ってる子、
この兵団にたくさんいますよね?」
「だから何だ。」
「その子に色々した方が一石二鳥なんじゃ」
そう言いかけた時、
リヴァイはエマを強く抱きしめた。
エマの頭は再び混乱する。