第89章 勘違いは勘違い
「すみません、あの、
ちょっと頭が混乱してるんですが。」
リヴァイの平静すぎる物言いに、
エマは気の動転を隠しきれずに言った。
自分の鼓動は、
リヴァイの鼓動と反比例して
ただひたすら早く刻まれている。
「俺はお前に愛想が尽きた訳でもねぇし、
必要としてない訳でもない。」
「………え、前と言ってること
全然違うんですけど。」
「そうだろうな。」
リヴァイは落ち着いて返事をする。
「……何で今になって、
前言撤回したんですか?」
「お前には隠し通すことが
できないと気付いたからだ。」
「じゃぁ、何で別れを切り出したんですか?」
エマはリヴァイへの疑問が止まらず、
問い続ける。
頭の中は混乱しているが、
問いかけずにはいられなかった。
「お前、さっきから質問攻めじゃねぇか。」
リヴァイは眉間に皺を寄せてエマを見た。