第89章 勘違いは勘違い

「リヴァイさん……
私、振られたんですよね？」

エマはそう言いながら、自然と涙を溢す。


リヴァイはその言葉に反応して、
エマの方を向いた。


「そんな顔されて、
そんな言葉言われたら、
勘違いするじゃないですか。」

溢れ出す感情も涙も
抑制することができず、
エマは話し続ける。


「私に愛想が尽きたんですよね？
私のこと、もう必要としてないんですよね？」


溢れる涙は、次々と頬を伝った。

リヴァイの表情を垣間見ることすらできず、
感情的に話す。


「それならもう、私にそんな」
「エマ。」

リヴァイはエマの言葉を遮り、
エマを強く抱きしめた。



リヴァイの胸は熱く、早く、鼓動を刻み、
エマの心はまた強く揺さぶられる。




「問題は全て俺にあった。
お前に非はない。」

リヴァイの声はエマの耳元でよく響く。


「……頼むから、
俺のことでもう涙を流すな……」


リヴァイの懇願するような声が、
また、エマの心を動揺させた。


リヴァイは、エマを強く抱きしめたまま

「もう、お前を泣かせたくない。」

そう言ってエマの髪を優しく撫でた。