第87章 最善策
「あの後ろ姿は……」
エマは近付き、声を掛けた。
「リヴァイさん。
どうしたんですか?」
「ああ。エマか。」
リヴァイは眉間に皺を寄せたまま、
エマを見る。
「買い出しに来たんだが。」
「え、リヴァイさんが買い出しですか?
珍しいですね!」
エマは思わず声を大きくした。
「他の奴らは訓練させてる。
余裕があるのは、俺くらいなもんだからな。」
「そんなこと言っても、
リヴァイさんだって忙しいじゃないですか。
言ってくれれば、私がついでに行きましたよ?」
「お前も忙しいだろうが。それに」
そう言うと、リヴァイは
エマに買い出しのメモを見せる。
「お前に買えるものばかりではないだろ。」
エマはメモに目を向けると、
メモには卑猥な本のタイトルが
ズラッと並んでいて、思わず目を背けた。