第76章 報告と情欲
「……今日、リヴァイさんと話しました。」
唐突に始まったエマの話に、
エルヴィンはペンを奔らせる
手を止める。
「完全に事故だったんですけど、
倉庫に二人で閉じ込められて。
そこで少し。」
エルヴィンは静かにエマの方を向いた。
「……リヴァイは、何て?」
「あの時のこと、謝られました。」
エマはエルヴィンの問いかけに、
少し俯くと答える。
「そうか。」
エルヴィンはそう言うと
エマを自分の膝に座るように促し、
正面に向かせた。
「君は?話せたのか?」
エルヴィンは優しい表情で問う。
「はい。
思ってたより、普通に話せて。
かなりスッキリしました。」
エマはそう言うと笑って見せる。
「……それなら良かった。」
エルヴィンは少し目を伏せた。