第76章 報告と情欲
その日の夜。
エルヴィンはエマの部屋に
書類の束を抱えてやって来る。
「エルヴィンさん。
仕事、まだあるんですか?」
エマはエルヴィンの手から
溢れんばかりの書類を少し持った。
「ああ。悪いがここでさせてくれ。」
エルヴィンは申し訳なさそうな顔で言い、
「私はいいですけど、自分の部屋の方が
捗るんじゃないですか?」
エマは書類を机の上に置く。
「いや。そんなことはないよ。
今すぐ君に会わなければ、
もう仕事が出来るような気分に
なれなかったんだ。」
エルヴィンは書類を机に置くと
ため息をついた。