第75章 想い出の倉庫にて
「そんなの売り言葉に決まってんだろうが。」
「売り言葉投げかけるなら、
買われることも考えてくださいよ!
こっちは必死だったんですから!」
エマの言葉に、リヴァイは少し笑った。
「………笑い事じゃないですけど。」
エマはリヴァイを横目で見る。
だいぶ暗闇に目が慣れたこともあってか
薄っすら表情が見えた。
「そうだな。
……お前の言う通りだ。」
そう言ったリヴァイの顔は、
あまりに悲しそうで、エマは思わず
リヴァイに触れそうになる。
だが、
「……分かってもらえたなら、良かったです。」
と、自分の手を握り締め、心に抑制をかけた。
「……お前を、あんなにキツく
拒絶する必要はなかったな。」
リヴァイのその言葉を聞き、
エマは胸の辺りが
鈍く疼くような感覚に囚われる。
そして、咄嗟に胸を押えると、
「どういうことですか……?」
そう問いかけた。