第75章 想い出の倉庫にて
エマは鼓動が早くなるのを感じ、
思わず胸に手を当てる。
そして、大きく息を吸い込み、
「います!でも、用事は済んだので、
これから出ます!」
と、少し声を張って答えた。
「……エマか。」
リヴァイがそう言ったと同時に、
扉がギシギシと錆びついた音を
立て始めたかと思ったら、
バタン。と、重く鈍い音を立てて閉まった。
扉が閉まる大きな音に驚き、
エマは手を滑らせて、
ランプを床に落とした。
辺りは一気に暗闇に包まれる。
「……あの、その扉、
あの時から、まだ直ってないですよ?」
エマは呼吸を落ち着かせながら
リヴァイにそう言った次の瞬間、
エマはリヴァイに引き寄せられ、
抱きしめられた。