第73章 苦悩と切ない恋の物語
「それでも君は、これからもふとした時に、
リヴァイのことを思い出すだろう。
それは仕方がないことだ。
だが、その時は私にも教えて欲しい。
君が完全にリヴァイのことを
思い出として心にしまえるまで、
私も一緒に向き合うと思う。」
エマは少しエルヴィンから離れ、
エルヴィンを見つめると、
「エルヴィンさんは、辛くないですか?」
そう、声を詰まらせながら言った。
「辛くはないよ。
君はここにいるんだから。
それより、君が私の前で
気持ちを溜めこむことの方が悲しい。」
エルヴィンは自分の額をエマの額に合わせる。
「言ったことがあると思うが、
私は君が側にいてくれさえすれば
それで幸せなんだ。」
エマは込み上げてくる涙を堪えながら、
「私も今、すごく幸せです。」
と、エルヴィンに笑いかけた。