第71章 報告と暴露
「あー。そうだった。
ちょっとエマ、
私の代わりに出てくれる?」
ハンジは小声でそう言うと、
エマにドアを開けるよう促す。
エマがゆっくりドアを開けると、
「ハンジ。資料は出来たのか?
憲兵からの迎えが来てるぞ。
そろそろモブリットも限界……」
呆れたように捲し立てる
エルヴィンの声は、途中で止まる。
「……エマ。
ここで何をしてるんだ?」
エルヴィンは戸惑いを
隠しきれない声色で言った。
「お疲れさまです。
ハンジさんと話してました。
お仕事忙しそうなのに、すみません。」
エマは申し訳なさそうに
エルヴィンの顔を見る。
「……いや、どうせハンジが
無理に連れてきたんだろ。
エマが謝ることではない。」
エルヴィンはそう言って頭を掻くと、
ハンジの部屋に入った。
「おい。エマを引き合いに出して、
私の機嫌を良くしようとしても無駄だぞ。」
エルヴィンはソファーの陰に隠れたハンジを摘み出す。
「その割には、嬉しそうな顔してるけど。」
ハンジのその言葉に、
エルヴィンは思わず手で顔を覆った。