第71章 報告と暴露
「未練って言っても、
またリヴァイさんの恋人になりたいとか
一緒にいたいとか、
そういうのではなくて
前みたいに普通に話せるようには
なりたいと思うんです。」
「もうリヴァイのことは好きじゃないの?」
「……ハンジさん。痛いところ突きますよね。」
エマは苦笑する。
「好きか嫌いかって聞かれたら、
もちろん好きです。
でも今はもう、リヴァイさんに
執着する気持ちはありません。」
「そっか。
随分ハッキリ言い切るね。」
ハンジは意外そうにエマを見た。
「はい……
でも、私も絶対執着し続けると思ってましたから。」
「じゃぁ、その執着心を、
エルヴィンが拭い去ったのかな。」
「拭い去った、と言うよりは、
執着心ごと包み込んでくれた、に近いですね。」
ハンジは静かにエマの話を聞く。
「エルヴィンさんは、リヴァイさんを
忘れることを強要しませんでした。
むしろ、リヴァイさんが
向き合ってくれる日が来るから、
と言ってくれました。」
エマは少し笑うと話を続ける。
「その結果、もしリヴァイさんが私の元に
戻って来てくれなかったとしても
自分はいつまでも待っているからって。
そう言ってくれたんです。」
「エルヴィンらしいね。」
ハンジはそう言うと優しい表情で笑った。
「私もそう思います……
エルヴィンさんの言葉は、
いつも強くて優しいですよね。」
「でもそれだけ優しいのは、
エマにだけだと思うよ。」
ハンジはそう言って横目でエマを見る。