第69章 運命の恋
「それなのに君は、私に怯えることもなく
その直後も普通に接してくれた。
しかも帰り際、
私を見て何も感じなかったのか
と君に聞くと、
君は、かっこよかった、スカッとした、
などと的外れなことを言い出して。」
「いやいや!的外れじゃありませんよ!
ほんとにかっこよかったですからね!」
エマは思わず声を荒げた。
「そう。その時もそんな感じだったな。
やけに興奮して、
私の手を握って来た。」
「……そうでした。
完全に不謹慎なことしてましたよね……」
エルヴィンは俯くエマを見つめると、
「だが、私はとても嬉しかったんだよ。
手から伝わる君の体温が、とても心地よくて。
今までに感じたことのない感情が込み上げてきた。」
そう言って笑った。
「それに、君にもらった占いの入っているクッキー。
基地に帰って食べてみたんだ。」
「もしかして、占い結果、まだ覚えてるんですか?」
エマは思わず問いかけた。