第68章 余裕のない大人の夜
「エマは私が、自分の身体を絶対求めてくると思っていただろうから、警戒心で眠れなかったらいけないと思ったんだよ。
書類を持って行けば、君は私が何もしてこないと分かって、安心して眠れるだろうと思って。」
エルヴィンはそう言うとエマの髪を撫でた。
「だが、予想外に君が食付いてくるから。
我慢が利かず、抱いてしまったという訳だ。」
エマはエルヴィンの話を聞き終わると
「せっかく気を遣ってくれていたのに……
すみません……」
そう言って赤面しながら俯く。
「いや、私は良かったんだが。
まさか君をあそこで抱くことになるとは
思わなかったからな。」
エルヴィンはそう言いながら、横目で机を見る。
「私もまさか、あそこで自分が抱かれるとは
夢にも思いませんでした………」
俯いたままそう言うエマに、
「おかげでかなり昂奮させてもらったよ。」
と、エルヴィンは笑いかけた。