• テキストサイズ

自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第62章 温かい手





昼前になり、エマは目を覚ます。


窓に目をやると、
太陽は高い位置まで昇っており、
自分が随分長い間寝ていたことを認識した。



ふと横を向くと、机に向かっている
エルヴィンの背中が見えた。


「……エルヴィンさん?」

エマはまだ開ききらない目を擦りながら、
声をかける。


「エマ。起きたか。」

エルヴィンは振り返り、エマの方を向いた。


「エルヴィンさん、お仕事は?」

「起きてすぐ、私の仕事の心配か。」

エルヴィンは小さく笑い、

「大丈夫だ。
ここでさせてもらってるからな。」

そう言って机の上の書類を指差す。


「エマは今日非番だったな。
ゆっくり休めばいい。」

エルヴィンはそう言うと、また机に向かった。




「……ずっといてくれたんですか?」

エマは横になったまま問いかける。


「一度資料を取りに部屋へ戻ったが、
その後はずっとここにいる。」

エルヴィンは机に向いたまま答える。


「すみません。
ご心配おかけしました……」

エマはそう言うと、少し背中を丸めた。


そして、

「……あの、もしかして
リヴァイさん来ましたか?」

と、小声で尋ねる。


エルヴィンはエマの方に向き直ると

「いや、来ていない。」

そう言ってエマの目を見つめた。


「……そうですか。」

エマはそれだけ言うと、目を瞑る。

/ 770ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp