第49章 エルヴィンの過去
荒い息づかいのエマを、
エルヴィンは優しく抱きしめる。
エルヴィンはエマの耳元で囁くように、
「ますます君が欲しくなったよ……」
と言って、優しく口づけをし、
「エマ。君を愛している。
もう誰にも渡したくない。
私には君しかいないんだ。」
少し声を大きくしてそう言いながら、
横目で窓を盗み見た。
「エマ、すまなかった……
もう行ったみたいだ。」
しばらくして、エルヴィンは
エマに上着を掛ける。
「いや、こちらこそ、すみません……」
エマは小声でそう言うと
思わず横を向いた。
「途中からはしているフリだけに
するつもりだったんだが……
理性を保てなくなった……
すまない……」
エルヴィンはそう言って俯く。
「……いえ、こうなる原因を作ったのは
私でもありますし……
でもさすがに、こんなに早く、
自分があんなことになって、
びっくりして……」
エマは早口でそう言うと、
エルヴィンの上着を羽織った。
「……リヴァイとする時は、
もっといくのに時間がかかるのか?」
エルヴィンの単刀直入な問いかけに、
「…………はい。」
と、エマは耳まで赤くして答える。
「リヴァイの愛撫が下手なのか?」
「いや!そんなことはないです!」
エルヴィンの問いかけに、
思わず声を張ってしまうが
「……そうではなくて、
女性との噂がないという割には、
その、あまりにエルヴィンさんが……
すごいというか……」
徐々に声のトーンを落としてそう言うと、
エルヴィンは複雑な表情で笑い
「そうか……
エマ。君には正直に話そう。」
と、話し始めた。