第5章 竈門炭治郎
炭:「さんは、どうやって全集中常中できるようになったんですか?」
:「そうだなぁ、私は5人の柱の元で稽古をつけてもらってたら自然とできるようになったかな。」
炭:「柱直々にですか!?」
:「うん、今も新たに柱となった人のもとで稽古をつけてもらうときもあるよ、炎柱の煉獄さんとか。」
炭:「俺も付けてもらいたいです!」
:「んー、炭治郎は厳しいんじゃないかな?私は鬼も連れていなかったし、最初から師範の元に身を置かせてもらえてたから、つけてもらえたけど。」
炭:「そんな…」
:「大丈夫だよ、私教わったこと、全部炭治郎にもちゃんと教えるから。私が稽古をつけるんじゃ、だめだったかな?」
炭:「そんなことないです!さんも強いし、稽古つけてもらえるの嬉しいです!」
:「良かった。頑張ろうね。」
炭:「はい!あの、さん。」
:「なに?」
炭:「ずっと聞きたかったんですけど、さんは前に、ある鬼と、柱の方達が恩人だって言いましたよね。」
:「うん。」
炭:「もし、その鬼が柱の人を襲ったらどうしますか?」
:「…」
は黙り込んでしまった。
炭:「…、すみません、あり得ないことなので、答えなくても…」
:「分からない。今の私はどうするんだろうね。ただ…」
炭:「?」
:「ただ、これから先はそんなことが無いように、心から願うばかりだよ。」
はうつむいた。
炭:「はっ……」
:「今日はもう遅い。炭治郎も寝た方がいいよ。全集中常中しながら寝られるよう頑張ってね。それじゃ。」
炭:(本当に動きが速いな…それにしても、さんものすごく悲しい匂い、罪悪感の匂い、迷い、悩みの匂い、いろんな負の感情が混ざった匂いがしてた…過去に一体何があったんだろう…)
その夜がが人間として炭治郎と会うのは最後だった。
だがそれを知る者は誰もいなかった。