第3章 那田蜘蛛山
「修行し直せ戯け者」
義勇は持ってきていた縄を用意しながら続ける。
「今のは十二鬼月でもなんでもない。そんなこともわからないのか」
「わかってるわ!俺だってそんな雑魚十二鬼月だなんて思ってねぇよ!十二鬼月とか言ったのは炭治郎だ!俺はそれをそのまま言っただけだからな!」
喚く猪隊士をテキパキと吊し上げる義勇。
「っておい!待てこら!…え?」
義勇のあまりの早さに、ようやく状況を理解したらしい猪隊士が叫ぶ。
「己の怪我の程度も分からない奴は戦いに関わるな。」
義勇は呟きながらスタスタと進んで行ってしまい、その言葉は猪隊士には届いていないようだ。
慌てて星波も後に続く。
「お大事にぃ!」
星波の言葉を聞いて猪隊士はギャアギャアと何か怒っていたようだったが、義勇と星波にはもう聞こえていなかった。