第17章 友達
「桜さん…何か悩み事でも?」
星波が心配そうに話し掛けると、桜の目からほろほろと涙が流れる。
「い、いえ…ごめんなさいね。なんでもないの。」
「なんでもなかったら涙なんてでませんっ…良かったら話してくれませんか?何かお力になれるかも知れませんし…」
「…あの、ね………失恋を…したの…」
「「失恋!?」」
「大切な…お友達の…好いている方、だったの」
桜はぽつりぽつりと言葉を落としながら、ふっと星波を見つめる。
「星波さん…ごめんなさいね。私、あなたの邪魔はしないからっ…」
「………。え、私っ!?」
星波はなかなか状況が飲み込めず、あたふたとしながら首を傾げて考える。