第17章 友達
「星波さん!大丈夫か!?」
玄関を開けると、槇寿郎と風弥を抱いた千寿郎が慌てて飛び出して来た。
「はい。お騒がせしてしまって申し訳ありません…おふたりのおかげで何とか」
「あぁ…良かった…」
千寿郎から風弥を受け取ると、ギュッと抱きしめる星波。
(震えが止まった…?やはり母は強いな)
「父上、俺たちは星波を過保護にし過ぎてしまっていたことを反省していましたが、どうやら今までの行動は間違いではなかったみたいです。こらからは外出する時は誰かが付き添うようにしましょう!」
「そうだな。星波さん、無事でよかった。中に入ろう。」
千寿郎がお茶を用意してくれたので、みんなでお茶を飲む。
「星波ィ、教室はどうだった?」
「はい、文子先生もとても素敵な方で、桜さん、和美さん、幸さんという歳の近い方とお友達になれてとても楽しい時間でした!みなさんとても綺麗な刺繍を完成させていて、私も早くみなさんみたいにできるようになりたいです」
「そうか、それはよかったなァ」
「俺たちも星波の作品を楽しみにしているぞ!」