第16章 道
「刺繍は母上も達者であられた。そうだ、道具箱が確かあったな…父上、星波にあげても良いですか?」
「ああ。埃をかぶっているより、使ってもらった方が瑠火も喜ぶだろう。探しておこう」
「そんな大事なもの…よろしいんですか?」
「うむ。ぜひ使ってくれ!」
「ありがとうございます!」
そうして星波は後日、通う刺繍教室を探すことになった。
「杏寿郎さんたちはいつから剣道教室を?」
「そうだなァ、自分たちで始めるのは式が落ち着いてからか?」
「うむ、道具を揃えたり、他の剣道の流派や指導法なども学ばねばならないからな!」
各々の進む未来が少しずつ定まった。