第13章 新生活
「ネタばらしついでにその指輪についても教えてやるぜ!」
「おィやめろォ…」
宇隨がこそっと星波に耳打ちをする。
「その指輪のダイヤは一級品だ。その指輪だけで土地が………は買えるぜ。」
「ひっ」
(恐るべし柱の財力…)
「そ、そんな高価なものをいただいてしまって、本当にいいのでしょうかっっ」
星波はカタカタと震える左手を見つめる。
「お前のために作った指輪だァ。お前以外誰が付けるんだ」
「作った…?」
「正一さんに教えてもらって、宝石店やら宝飾店やらを回って一から作ってもらった。お前の星の呼吸の天の川をイメージしたこの世にひとつのものだ。甘味屋にいる時に、完成したものを受け取ってきた」
「私のためにっ…」
星波は今日だけで一生分の幸せを感じたのではないかと思うくらい胸がいっぱいになる。
「嬉しいです!!でもこんなに高価なもの、恐れ多くてずっと付けていられません…」
しゅんと眉を下げる星波。