第13章 新生活
「鱗滝さん、ご無沙汰しております。」
不死川が鱗滝に挨拶をしている。
「あれ?2人とも会ったことがあるんですか?」
星波の記憶が正しければ、2人は一番最初に星波がお館様の屋敷に行った時に少し顔を合わせただけのはずだ。
「実弥は何度も狭霧山に来てくれている。」
「実弥っっ!?何度もっ!?へ、えっ!?」
不死川が何度も家を留守にしていた理由は、星波の育ての親である鱗滝に、順番が逆になってしまったことへの謝罪と結婚の許しをもらいに狭霧山に出向いていたかららしい。
鱗滝はすんなり了承したが、鈍った体を動かすためにもその後も何度も狭霧山に星波と風弥の様子を伝えに出向いていたのだとか。
「それは言わない約束じゃないですかァ…」
「いいじゃないか。星波を不安にさせてまで内緒にしておくことではなかろう」