第12章 退院
大量のスイートポテトを包んでもらった不死川と星波は、深々とお礼をして店を出た。
「お兄さん、頑張れよ!」
「おゥ、ありがとなァ!」
そんな2人のやり取りを不思議そうに見ていた星波だったが再び不死川に手を引かれ、嬉しさと恥ずかしさですっかり忘れてしまった。
他愛のない話をしながら歩いていると、あっという間に煉獄家の側まで来ていた。
すると突然不死川が立ち止まる。
「…?」
「星波、髪を結わせてくれないか?」
「へ?髪…?実弥さん、できるんですか…?」
「あァ、昔妹のをよくやってたからな。挨拶に行くんだ、綺麗にしてやるよ」
そう言われ、くるっと後ろを向かされる星波。
不死川は器用に髪を結い上げていく。
「できたぞ」
「わぁ早い!どんな風になってるんですか?」
「あとで鏡で見てみろ。さ、行くぞォ」