第12章 退院
「あぁ、あぁ!なるほど!そういうこと!」
店主が不死川の表情を見て何かを思いつく。
「お嬢さん、このお兄さんちょっと借りてもいいかい?」
「へっ?」
「この店の向かいで女房が甘味屋をやってるんだ。ちょっとの間そこで甘味でも食べててくれないかい?ご馳走するから、好きなものを食べてお子さんと一緒に待っていてほしい」
星波が風弥を受け取ると、さあさあと半ば強引に連れて行く店主。
「おーい!お前!ちょっとこの子に甘味をご馳走してくれないか!」
「どうしたんだい?」
店主が奥さんにコソッと耳打ちをする。
「そうかい!そういうことならたっぷりご馳走しなきゃねぇ!」