第9章 柱稽古
「実弥さんっ、もうやめてくださいっ!!!」
「……!?星波ィ危ねぇだろォ!向こう行ってろォ!」
「嫌です!やめてくれるまで離しませんッ」
さらに力を入れてぎゅうっと不死川を抱きしめる。
「だいたいお前は煉獄と一緒に住んでるんだろォ!?煉獄の女が俺に何の用なんだよ!」
全てを伝えたい気持ちを飲み込む星波。
「それは今関係ないでしょう!?とにかく殴るのをやめてくださいっ!お願いだからっっ!」
目に涙を溜めて頼む星波にムラっとする不死川。
「お前なァ…」
星波をひょいと抱える。
「お前ら、素振りでもしとけェ」
「え!?実弥さんっ!?え!?えっ!?」
不死川は、訳が分からず困惑する星波を抱えて部屋に入っていく。
「今あのオッサン、ヤラシイこと考えた…」
善逸が呟く。
「「は?」」
「ヤラシイ音がした…」
炭治郎たちが固まる。