• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第46章 夢は終わってダ・カーポ【これからの話/宵祭り】


「呼吸が、安定した……はっ、はぁ……っ」

 よかった……あとは、意識さえ取り戻せれば……。

 すると、与の瞼が薄っすらと開き、唇が微かに震える。

「何? どうしたの?」

 口元に耳を寄せると、吐息混じりの声音をどうにか聞き拾い、星良は泣きそうな顔で「えぇ」と頷いた。


 ――「……皆に、会いたい……」


「会えるわ、必ず――……よく頑張ったね」

 与が京都校を裏切った理由は知らない。
 それでも、彼にとっては意味のあることだったのだろう。

 だから、こうして命を懸けて戦ったのだ。

 当事者ではない自分が、「なぜそんなことを」と責める資格はない。

 再び気を失った与に労いの言葉を贈り、星良はすぐに新田へ電話をかけた。

 外傷の治癒はできたが、頭部の傷はかなり酷かった。傷が脳に影響を及ぼしている可能性は否めない。

『星良さん⁉︎  大丈夫っスか⁉︎  突然【帳】が上がって……連絡もなくて心配してたんスよ⁉︎』

「うん、大丈夫。戦闘はなかったから……与くんも……今のところ無事。それでね、一つお願いがあるんだけど……迎えにきてくれる? ちょっと、呪力消費しすぎちゃって……動けそうにないの……」

『えぇ⁉︎  戦ってないのに動けないほど呪力を消費するって、何があったんスか⁉︎ 』

 そう言いつつも、『すぐ行くんでその場を動かないでくださいっス!』と電話を切る。

 その後 家入に連絡をして事情を説明し、星良は新田に頼んで、急いで与を高専へと運んだ。
/ 857ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp