第42章 鮮明なリバーブ【呪術廻戦0】
「ね、日下部さん。その任務って、憂太も行かせられない?」
「ん? まぁ、別に構わねぇが。狗巻一人で大丈夫だろ」
五条の提案に日下部が首を傾げるが、五条は得意気に口角を上げた。
「棘にサポートがいらないのは分かってるけど……見学ってことで。呪術は多種多様。術師の数だけ祓い方がある。棘の【呪言】はいい例だ。しっかり勉強して来るといい」
――呪いを解くなら、まずは呪いを知らなきゃね。
こういう五条の姿を見ると、この男も教育者なのだと再認識する。
たまにエグい任務をふってくるし、適当なことを言って振り回してくるから忘れそうになるが。
やがて、乙骨と狗巻は補助監督の伊地知に連れられて任務へ行った。
パンダもすぐ後に夜蛾に呼ばれて行ってしまう。
「憂太と棘は任務、パンダもいねぇ……星也さん、少し相手してほしいんだけど、時間ある?」
「日下部さんじゃなくていいのか?」
「いや、俺は担任として監督する仕事があるからな。ここで見てる」
「だとよ」
まぁ、彼ならそう言うだろうな。
「分かった。報告があるから、十五分待ってくれ」
久しぶりの手合わせだ。
彼女の気がすむまでつき合ってあげよう。