第4章 決意へのマーチ【秘匿死刑】
「それで……東京?」
すると、会話を終わらせた伏黒が「あぁ」と頷いた。
「オマエはこれから、俺たちと同じ呪術師の学校に転入するんだ」
「呪術師の学校って?」
――東京都立呪術高等専門学校――通称、呪術高専。
「日本に二校しかない呪術教育機関の一校よ。表向きには私立の宗教系学校ってことになっているの。ほとんどの呪術師は卒業後もここを拠点に活動しているわ」
「それだけじゃない。呪術高専は教育機関として以上に、任務の斡旋やサポートもやる呪術界の要なんだ」
星良が説明を五条が補足する。
「ほとんどの呪術師が、ってことは……星良さんも?」
「もちろん。ちなみに、五条先生はあたしの元担任よ」
「はい、どーも!」
片手を上げて五条が陽気に応じた。
「え……まさか、伏黒と詞織の担任も?」
「「この人」」
ピシッと二人が揃って五条を指さす。
一緒にいるから、まさかとは思ったが……やはりそうか。
「ちなみに、一年生は君で四人目」
「少なっ‼」
親指だけ折り曲げた手のひらを見せてくる五条。
どこのド田舎の学校かと思うくらいに少ない生徒の人数に虎杖は驚いた。
「え? 俺で四人目ってことは……俺がいなかったら三人⁉」
「あたしたちのときは三人だったし、むしろ多い方よ」
やがて、「さて」と五条が手を打つ。
「おしゃべりはこれくらいにしよう。恵と詞織はこのまますぐに呪術高専へ帰ること。傷も含めて、一旦身体を休ませた方がいい。星良も、任務の報告も兼ねて一緒に帰るんだ。星也も戻っているはずだよ」
はい、と三人が声を揃える。
「悠仁は一旦 自宅に帰って荷物をまとめたら、僕と一緒に東京へ向かう」
「ウッス」
東京へ行くのは初めてだから、一緒に来てくれるのはありがたい。
こうして、虎杖 悠仁の呪術師としての人生は、ゆっくりと廻り始めた――……。