• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第35章 過ぎ去りし青春のリコルダンツァ【壊玉】


「あの喋り方だと友だちもいないじゃろ」

「快く送り出せるのじゃ」

「学校じゃ普通に喋ってるもん!」

 口調を真似してからかってやると、スカートの裾を握り、天内が顔を赤くして反論してきた――すると、黒井が「あ」と顔をしかめる。

 同時に天内もハッとした顔で「学校!」と声を上げた。

「黒井! 今 何時じゃ⁉」

「まだ昼前……ですが、やはり学校は……」

「うるさい! 行くったら行くのじゃ‼」

 駄々をこねる天内に、黒井が助けを求めるように星也を見る。

 おい、ソイツ 八歳のガキだぞ。せめてこっちにお伺い立てろよ。

「構いません。行きましょう」

 考える素振りを見せることなく、星也は即答した。

「オイ、クソガキ。学校って……ふざけてんのか。高専にとっとと連れてった方が安全だろ」

「私も同意見だ。またいつ襲われるかも分からない。場所が学校なら巻き込まれる人間も出てくる」

 胸倉を掴むも、少年に怯む様子はない。夜色の瞳で、サングラスの奥にある五条の空色の瞳を静かに見つめ返してきた。

「天元さまのご命令です。なんなら、高専に確認してください。きっと同じように言われますよ」

「リスクは承知の上。あたしたちがここに留まるのも同じ理由です。できるだけ足手まといにならないようにしますね」

 困ったように笑いながら、星良も眉を下げる。

 黒井が自動車を手配し、一同は天内の通う学校へと向かった。
/ 857ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp