• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第34章 皆と過ごすディヴェルティメントな日々


「【君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな】」


 ポゥ…と光が溢れ、順平の腕を包み込む。

「ありがとう、神ノ原さん」

「詞織」

「……うん、詞織ちゃん」

 少し離れた場所では、ダンッ、バシッと激しい音を立てながら、虎杖と伏黒が激しく拳を打ちつけあっていた。

 伏黒も強いが、さすがに虎杖には敵わないようで、やや劣勢だ。

「それにしても、詞織ちゃんはすごいね。【反転術式】って、すごく難しいって五条先生が言ってたよ。誰にでも使えるモノじゃないって。人に使うってなると特に」

「確かにそうだけど、神ノ原の人間にとっては他の人たちほど難しくない」

「え、そうなの?」

 聞き返すと、詞織はコクリと一つ頷いた。

「わたしたち神ノ原の術師の呪力には癖があって、反転した呪力を生みやすい。もちろん、それなりに修練は必要だけど」

 詞織は元々 詩音が使っていた感覚をベースに見よう見まねで始めたが、交流会以降は家入に師事し、基礎から学び始めたのだそうだ。

「ジュンペーが怪我してくれるから、いっぱい練習できるし、段々 マシになってきてる」

「そう言ってもらえると……」

 いや、別に嬉しくはない。感謝はしているが。

「それより、どう? ジュンペー」

「うーん……何か違うんだよなぁ。【澱月】、もう一回いい?」

 思い出せ。あの皮膚が腐食して爛れる感覚。

 同じ術式を食らった虎杖が言うには、これは結果 有毒なだけで、本質は『分解』にあるらしい。

 分解、か……。
/ 859ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp