• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第22章 未定


「はいはい。ノロケなら酒の肴に今度聞いてやるよ」

「酒の肴にするなら話しません」

 キッパリと断る伏黒に苦笑しつつ、家入が頬に触れてきた。
 ひんやりとした細い指先に身体を震わせるのと同時に、タバコの匂いが肺へ侵入する。

「自分で反転術式をかけたって? 狗巻や加茂のもだろ?」

「まだ上手く使えない」

「確かに、反転術式って言えるレベルじゃないけど、筋は悪くない。なんなら、今度みっちり教えようか? 仕事が減るのは大歓迎だ。その分、解剖の方に時間を割けるし」

「お願い」

 反転術式が使えれば、万が一 伏黒たちが危機に陥ったときに助けることができる。虎杖が無茶をしてもフォローできる。

 仲間は死なせない。もう二度と。

「気負いすぎだ、バカ」

 ポンッと軽く頭を叩かれると同時に、ガラッと慌てた様子で開けられた。

「詞織ちゃん、大丈夫⁉︎」

 伏黒を無視して、垂水 清貴が真っ直ぐにこちらへ来て、頭やら身体やらを触ってくる。

「ごめんね、ボクがいれば特級呪霊なんてシャチに食わせてやったのに!」

 シャチ……たしか、サメも逃げ出す海洋界のギャングだったか。
 先ほどは戦闘中で、彼の式神をマジマジと見るどころではなかったが、ぜひじっくり見てみたい。

 そんなことを思っていると、伏黒が垂水から庇うように割って入ってきた。
/ 381ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp