第20章 それは笑えないスケルツォ【京都姉妹校交流会―団体戦―】
東京校と京都校が己の実力と誇りを掛けてぶつかり合っている中、真人は交流会が行われている森を近くの建物の屋上から見下ろしていた。
その隣には、スキンヘッドとムキムキの身体を持ち、素肌にエプロンを身につけた大男。
真人は口角を上げ、「さて」と口を開いた。
「俺らも仕事始めよう」
「ハンガーラックを作ろう……五条悟は一九〇あるんだろ? い~ぃハンガーラックが作れる」
真人の言葉に、エプロンをつけた大男――組屋 鞣造(じゅうぞう)が声を弾ませる。
人体を日用品や武器に加工する狂気的な趣味を持つ組屋は無視して、真人はまだ見ぬ強敵に心を躍らせた。