第17章 開幕のファンファーレ【反省】
「……虎杖……とりあえず、詞織を泣かせたオマエを一発ぶん殴っていいか?」
「え、そこ?」
ほとんど無理やり虎杖と引き剥がした伏黒は、低い声で言葉を紡ぐ。
「え、順平……もしかして俺、なんか間違えた?」
「まぁ……そりゃあ、こうなるような気はしてたというか……」
だったら止めろよ、と心の中で思ったが、どうせこのとんでもサプライズは五条の発案だろう。五条を止めるのは、誰にも不可能だ。
そこへ、ガンッと箱の縁を蹴り、釘崎が虎杖を睨みつけた。
「おい」
「あ、はい」
「何か言うことあんだろ」
え、と目を丸くする虎杖。釘崎の目尻にも、うっすらと涙が滲んでいる。
「生きてること……黙ってて、すんませんでした……」
こうして、虎杖は奇妙な空気が漂う中で合流を果たした。
* * *