• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第17章 開幕のファンファーレ【反省】


「アンタさぁ。伏黒のこと、ちっとも分かってないわね」

「な、なにそれ……メグとは小学生の頃から一緒にいる。野薔薇よりメグのこと知ってるもん」

「知ってたらそんなこと言わないわよ。言っておくけど、伏黒はアンタが思ってるよりずっと面倒くさい奴よ。あたしがアンタと話してるだけで、ヤキモチですんごい顔してるから」

「すんごい顔?」

 いったいどんな顔をしているのだろうか。気になる。

「五条先生とか、男と話してるときはまた一段と面白いわね」

「お、面白い……?」

「そう。こんな感じで……」

 真似をしているのか、釘崎は眉間をギュッと寄せて目を鋭くする。その顔は確かに面白かった。

「変な顔」

「でしょ?」

 小さく吹き出すと、釘崎も歯を見せてニッと笑う。

「まぁ。どちらにしても、アンタ 相当 男の趣味悪いわね。少なくとも、あたしは伏黒なんて絶対選ばないわ。ぶっきらぼうで無愛想で不器用の三拍子揃ってるヤツ」

「じゃあ、どんな人がタイプなの?」

 逆に尋ねてみると、釘崎は「そうねぇ」と顎に指を当てて考え始めた。

「まずイケメンなこと! あとは優しくて……何よりもあたしを優先してくれる人! ワガママ聞いてくれたり、欲しいもの買ってくれたり。お金持ちだと尚良し!」

 イケメンなこと……つまり、カッコいい人。それに優しくて、自分を優先してくれる?

 それって……。

「メグだ……!」

 なんということだ。釘崎は伏黒の魅力に気づいていないだけで、彼が好みの男性のタイプだったのだ!

「の、野薔薇……メグをとっちゃイヤ……!」

「今の話をどう聞いたら伏黒に繋がるのよ! それに、選ばないって先に言ったでしょ」

「だ、だって……メグはカッコいいし、優しいし、いつも助けてくれるし……わたしのワガママ聞いてくれる」

「アンタ限定でね! アンタ以外には基本的に塩対応なのよ、アイツは!」

 大きなため息を吐いた釘崎は、やがて「もういいわ」と踵を返した。
/ 381ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp