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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第8章 トラジェディの幕開け【呪胎戴天】


 ザァザァと細かな雨が地面を叩く中、伏黒たち呪術高専一年の四人は少年刑務所の敷地内にいた。

「我々の【窓】が呪胎を確認したのが三時間ほど前。避難誘導を九割終えた段階で、現場の状況により施設を閉鎖。第二宿舎には、まだ在院受刑者が五名 取り残されています」

 補助監督である伊地知(いじち) 潔高の説明を受けながら、四人は気を引き締める。

 呪胎が変貌を遂げるタイプの場合、特級に相当する呪霊に成ると予想される。おそらく、この刑務所に現れた呪胎も間違いなく特級だろう。

「なぁ、【窓】って何?」

「呪術師じゃないけど、呪霊を視ることができる高専関係者」

 詞織の簡潔な回答に、虎杖はふむふむと頷いた。

「じゃあ、特級は? 強いってことは分かるけど……俺、まだ呪霊の階級って、いまいちピンと来ねぇんだよなぁ」

「仮に、呪霊に通常兵器が有効だと仮定した場合……」

 素人の虎杖にも分かりやすく伊地知が説明する。



・特級
 クラスター弾での絨毯爆撃でトントン

・一級(準一級)
 戦車でも心細い

・二級(準二級)
 散弾銃でギリ

・三級
 拳銃があればまぁ安心

・四級
 木製バットで余裕



 さすが、補助監督。分かりやすい説明だ。

「本来は呪霊と同等の呪術師が任務に当たるの。呪術師は同等の階級の呪霊を祓える実力を持っているから。つまり、呪術師の階級を呪霊に当て嵌めると、少し上がる仕組み。野薔薇は呪術師としては三級だけど、呪霊の階級だと準二級に近い実力を持ってる。わたしとメグは二級だけど、呪霊の階級に当て嵌めると準一級に迫る」

「へぇ~! 伏黒も詞織もめっちゃ強いじゃん! 伊地知さんの説明に合わせると……戦車クラス⁉︎」

「伊地知さんの説明の兵器は呪術師の実力。わたしもメグも単独で一級は倒せないから、散弾銃くらい」

 虎杖の勘違いを詞織が修正する。虎杖の方も、「あ、そっか」と自分の中に落とし込めたようだ。
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