第6章 アニマートに色づく日常【鉄骨娘/始まり】
「お疲れサマンサー! 悠仁と野薔薇が助けた子どもは、送り届けたよー」
廃ビルに迷い込んでいた少年のことだ。釘崎が祓った呪霊は、この少年を人質にとるという高い知能を見せたらしい。
「さ! 今度こそ 飯食べに行こうか!」
「ビフテキ!」
「シースー!」
ステーキを食べたい虎杖と、寿司を食べたい釘崎とで意見が割れる。
「んー、どっちもは行けないなぁ……どうしようか?」
「俺はどっちでも。詞織は?」
「フルーツポンチ」
第三の選択肢が出てきた。
だいたい、フルーツポンチを出している店の方が珍しいだろう。
「じゃあ、間をとって、僕のオススメの店に連れて行ってあげる」
結局、ステーキも寿司もフルーツポンチも出てこなかった。
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