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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第15章 強襲


アリスを見ればボタボタ涙を流し泣いている。あんなに涙を流し泣いている…涙…涙?…涙!

アリスさえ引き離すことが出来れば後はどうにか出来る。一か八か、やってやる!

『剃!』

ミスティが間合いを詰めると案の定、霧になろうとするネーベル。しかし、アリスの涙で濡れた腕は霧にならない。

「何故だ?」

(今だ!)

霧になれなかった腕に一撃を放った。

「ぐあっ!!」

ネーベルの叫び声と共にアリスを拘束していた腕が緩みアリスが床に叩き付けられる寸前でミスティは床とアリスの間に身体を滑り込ませアリスを助けた。

「…ミスティさん、怖かったよー」

泣きつくアリスをあやし大丈夫ですと背中を摩ってやった。

「くそぉーお前ーっ!!」

背後の殺気に気付いたミスティはアリスを壁際に突き飛ばし振り向いた次の瞬間──

グサッ

『っ!!』

ネーベルの剣がミスティの腹部を貫いた。

『ごほっ…』

腹部からは夥しい程の血が流れ、口からは逆流してきた血が溢れた。

「調子に乗るなよ、女ぁ!!俺は8,000万ベリーの賞金首ブルイヤール・ネーベル様だぞ!」

意識が飛びそうなのを必死に耐えミスティは自分の身体を貫く剣に触れた。生暖かい液体が手を伝ってポタポタと床に落ちる。

『8,000万が…なんだ。はぁ…はぁ…何故アリス様を…狙う?』

「俺はあの御方の傘下だからな。この国の取引が続くとあの御方の商売があがったりなんだよ!」

『…あの御方、だと?』

「死にゆくお前には必要ない事だ!」

ネーベルが剣を抜こうとしている事に気付いたミスティはアリスに声を掛けた。

『…アリス、さま。怖い…思いをさせてしまい…もうしわけ、ございません』

途切れ途切れになりながら必死に伝える。

『いつも、わたしの言うことを…ごほっ、聞いて下さったアリスさまに、最後のお願いです…』

「何をブツブツ言っている!」

ネーベルが騒ぎながら剣を抜こうとするがミスティにより抑えられビクともしない。

『10秒だけ、目をつぶって居てください…いいですね?』

血を吐きながらアリスに背を向けミスティは伝える。

「…ミスティさん…ぐすっ、分かった」

アリスが目を瞑った瞬間、最後の力を振り絞り血塗れた自身の手で相手の心臓に向け最後の一撃を放った。
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