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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第11章 彼女と彼


アラバスタでニコ・ロビンとの接触に成功してから半年が経過した。王下七武海クロコダイルやBWの動き、アラバスタの状況を見るに、まだ彼女はクロコダイルと共に居るようだ。クロコダイルなど信用するに値しないが、政府も動かない、CP9への命令も来てないところを見るに彼女は無事なのだろう。

その間に、ミスティはCP9としての任務を片っ端から片付け実績を積んで行き、本部のCP9への評価は以前にも増して上がっていた。当然、その長官であるスパンダムは鼻を高くし調子に乗っていたがその方がミスティも諜報活動がし易い為、都合が良かった。

いつもと変わらずスパンダムのデスクに溜まる書類の仕分けをし仕事の出来ない長官にコーヒーを入れていた所に、そのへっぽこ長官から声を掛けられた。

「おぉ、そう言えば先程、俺んトコに連絡が来てCP9の力を借りたいと相談があった。まぁ、これだけ評価も上がれば優秀な部員を借りたいという他のCPの考える事など手に取るように分かるがな。ガハハ」

(相変わらず調子に乗ってるわね…)

『要請というのは単独ですか?同行ですか?』

「あぁ、詳細は別の者を寄越すからソイツから聞けだとよ。まぁ、単独であれば電伝虫で済むから同行だろう。」

『そうですね。CP9に要請が来るなら暗殺…』

「おいおい!CP9だからってそんな仕事ばっかじゃねーだろ!それに向こうはお前を指名してきた。暗殺ならジャブラでも良い、おそらく女のお前が良いんだろ。」

『あぁ、そっちですか…』

ミスティの嫌いな女を使った任務ならカリファが不在の今、出来るのは自分しか居ない。

(でもそれなら自分とこの女諜報部員を使いなさいよ)

心の中でそう叫びながら舌打ちをしたミスティを見て、スパンダムが言った。

「まぁ、詳細はその別の者っていう奴が来てからだな。それまでゆっくりしとけ。」

『畏まりました。』




──パタン


ミスティの出ていった扉を見つめスパンダムは息を吐いた。

「あいつ、今舌打ちしたな!目で殺されるかと思ったわ!カリファに似てきたな…怒らせたら俺が殺される!うわっちちっ」

ミスティの入れたコーヒーに口をつけその熱さに唇を火傷したスパンダムは普段そんなに感情を出さないミスティの扱いには注意しようと心に刻むのだった。
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